歌詞
日に焼けたアスファルトのにおいと、
目を焼くような黄緑色が、
ぼくに季節を思い出させたんだ。
耳に残る蝉のじりりと、
自転車のサドル照らす太陽は、
まぎれもない夏のシンボル。
蝉と蝉の死体って、おんなじ季節の季語なんだって、
きみが教えてくれたんだっけ?
苦しいねつらいねって真面目そうに呟いてみせるきみが、
なんだか可笑しかったな。だって、
蝉みたいに不器用で、
蝉みたいに向こう見ずで、
蝉みたいにちょっとしか
生きられなさそうなきみが、
そんなこと言うなんてさ。
きみみたいな無粋なやつに
そんな言葉は似合わないなんてさ、
けっして思っちゃいないんだ。だけど
苦しいねつらいねって、
本当に思ってるのは僕だって
言いかけた、口をつぐんだ。
感情のたとえとか、
季節感の添え物に
きみがなっちゃうのが怖くて、
どうしようもないんだ。
こんなこと、笑われるかな。
蝉みたいに不器用で、
蝉みたいに向こう見ずで、
蝉みたいにちょっとしか
生きられなさそうなきみが、
そんなこと言うなんてさ。