基本データ



タイトル | どんな街にいても |
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画像 | ・ ・ |
価格 | 1000円 |
収録曲 | 1. どんな街にいても (aki96) 2. 魔法が使えなくなる前に (aki91) 3. きみを嫌いになったら (aki88) 4. きみに抱きしめられる夢を見た。(aki73) 5. セーフティー・テザー (aki86) 6. きみの背中を (aki92) 7. 街の季節も (aki99) |
初出 | C106 (2025.8.17) |
コメント | おひさしぶりのアルバムです。留学中に寂しくなって書いた曲が多い気がします。 |
在庫 | 在庫あり |
通販 | BOOTH Bandcamp |
XFD | sm45219893 |
1. どんな街にいても
どんな街にいても、どんな気持ちでいるときも、
きみがそばにいなくても、春は、来るらしい。
どんな山の上も、どんな川辺を歩いても、
きみがぼくを忘れても、春は、来るから。
こないだまで、凍えるほど、寒くて、
曇りばっかで、おひさまも、全然見えなくて。
朝も暗くて、布団から、出られない。
夜は早くて、気づいたら、外は真っ暗で。
それが嘘みたいに、急に季節は移り変わり、
味気のない芝生に、知らない花が咲く。
どんな街にいても、どんな気持ちでいるときも、
きみがそばにいなくても、春は、来るらしい。
どんな山の上も、どんな川辺を歩いても、
きみがぼくを忘れても、春は、来るから。
いつのまにか、昼はもっと、長くなり、
日ざしの下は、少し暑いくらいで。
窓を閉めると、夜の間も、寝苦しく、
冷蔵庫の、排熱が、うるさくなってく。
春は嘘みたいに、急にどこかへいなくなって、
芝生に咲いた花も、いつの間にか散って。
どんな街にいても、どんな気持ちでいるときも、
きみがそばにいなくても、季節は、移るらしい。
どんな山の上も、どんな川辺を歩いても、
きみがぼくを忘れても、季節は、回るから。
(2025年6月; aki96)
2. 魔法が使えなくなる前に
魔法が使えなくなる前に、
手をつないで、逃げ出そうか。
魔法が使えない世界なんて、
どうでもいいじゃんか、正直。
最後に、誕生日を、
素直に、祝えたのは、いつだろうか。
今ではなんとなく、
考えたくなくて。
歳を重ねるたび、
特別じゃなくなるのが、わかるからさ。怖いんだ、
きみも、きみもそう思うでしょう?
大人になったら、この力も、
なくなってしまうのだから、
なにか最後に試すなら、
きっと今しかないから。
魔法が使えなくなる前に、
手をつないで、逃げ出そうか。
魔法が使えない世界なんて、
どうでもいいじゃんか、正直。
そうは言ってみたものの、
きみにはもう、魔法なんて、
いらないよね。
社会に溶け込んで、
好きなひとに愛されて。
大人を受け入れられず、
魔法に頼らなくちゃ、いけないような、
ぼくと、きみとは、
きっともう違うから。
きみに、置いてゆかれたような、
気持ちになってしまうのは、
ただの自分勝手だから、
きみに気づかれないように。
魔法が使えなくなる前に、
ひとりだけで、飛び出して。
きみを忘れられるように、
考えなくていいように。
魔法が使えなくなることを、
どうすれば、受け入れられる?
いつまでもわからないから、
きみに置いてゆかれるのかな?
魔法が使えなくなる前に、
手をつないで、逃げ出そうか。
きみにそう言えたらよかった、
もう間に合わないけどさ。
(2024年9月; aki91)
3. きみを嫌いになったら
きみを嫌いになったら、何を、誰を、
好きでいればいいのか。
誰もいない世界で、ひとりだけで、
生きてゆけるわけなどなくて。
きみと仲良くしはじめて、
何回季節が経ったっけ?
思い出す意味もないくらい、
いっぱい遊んだね。
いまさら何を言い出すのか、
きみは笑うだろうけどさ、
きみのことが少しだけ、
嫌いな気がしてさ。
きみのこと、好きだってことは、
疑いえない、疑いたくない。
それなら、なぜ、こんな気持ちを、きみに、
向けてしまう?
きみを嫌いになったら、何を、誰を、
好きでいればいいのか。
誰もいない世界で、ひとりだけで、
生きてゆけるわけなどなくて。
眠いと不機嫌なとことか、
細かすぎるところとか、
大したことじゃないけれど、
ちょっと嫌だなあ。
人の話を聞かないとか、
自分勝手なとことか、
やっぱり少し苦手だと、
そう、思うよ。
きみのこと、好きなんだから、
嫌いなとこも、まとめて愛さなきゃ。
だから、ぼくは、こんな気持ちを、すぐに、
忘れなきゃ!
きみを嫌いになったら、何を、誰を、
好きでいればいいのか。
誰もいない世界で、ひとりだけで、
生きてゆけるわけなどなくて。
綾なす、ぼくの、きみへの、気持ちが、
はやく、静まるように。
さざめく心が、すぐに、凪いで、
きみへの、好きだけ、覚えているように。
(2024年8月; aki88)
4. きみに抱きしめられる夢を見た。
きみに抱きしめられる夢を見た、
愛してなんて言えやしなかった、
だから、本当なわけないのに。
きみに抱きしめられる夢を見た、
触れる腕が、心地よかったんだ。
また、目を閉じる。
朝、まぶたが、すこし明るくなってきて、
目を、開けると、いつもの部屋で。
まだ、頭は、眠りこんだままで、
夢の、記憶を、懐かしんでる。
いつも、起きると寂しくて、
泣いちゃいそうに、なるけれどさ、
この夢を思い出して、
ふとんを抱きしめる。
きみに抱きしめられる夢を見た、
愛してなんて言えやしなかった、
だから、本当なわけないのに。
きみに抱きしめられる夢を見た、
触れる腕が、心地よかったんだ。
また、目を閉じる。
この、夢は、だれにも言えない。
まして、きみには、知られたくない。
悪いことをしたわけじゃないのに、
なんか、少し、うしろめたくて。
きみには、ぼくじゃない、
好きなひとが、いるわけでさ。
きみを夢に呼び出すなんて、
未練がましいね。
きみに抱きしめられる夢を見た、
愛してなんて言えやしなかった、
だから、本当なわけないのに。
きみに抱きしめられる夢を見た、
触れる腕が、心地よかったんだ。
また、目を閉じる。
こんな夢を見た朝も、
いつも、ぼくは、ひとりだから、
むしろ、夢を、見ないほうが、
つらくはないかな。
きみに抱きしめられる夢を見た、
愛してなんて言えやしなかった、
だから、本当なわけないのに。
きみに抱きしめられる夢を見た、
触れる腕が、心地よかったんだ。
また、目を閉じる。
(2025年3月; aki73)
5. セーフティー・テザー
ずっと一緒に、いられないことは、分かってた。
きみにはきみの、人生が、あるのだろうし。
きみなしで、生きていくことが、ぼくに、
できるのかな、できなきゃいけないな。
広いこの世界で、なにも掴まずに、
進んでくのは、心細いから。
次の命綱に、手が触れるまで、
きみの隣に、いさせてほしい。
セーフティー・テザー、
セーフティー・テザー。
セーフティー・テザー、
セーフティー・テザー……
この手を、離せばどこまでも、飛べるって、
理屈ではさ、分かっているのだけれど、
ひとりでは、真っ暗な足元すべらせて、
踏み外して、落ちてしまうから。
こんなわがままを、口に出せずに、
きみの手のひら、つないでみるけど、
きみといられるのは、きみと話せるのは、
あと少しだと、分かってるけど。
セーフティー・テザー、
セーフティー・テザー。
セーフティー・テザー、
セーフティー・テザー……
(2024年7月; aki86)
6. きみの背中を
ねえ、きみは、気づかないけどさ、
ぼくが、きみを、好きだってこと。
今日も、きみは、無邪気な表情で、
ぼくと、話す。
きみのことなら、なんでも知ってるよ。
きみが、好きな人のことを思って、泣く顔も。
うれしいことがあったときの声、
前に進むべきか尋ねるきみ。
大好きなきみが、離れてゆくのを、
どうして、どうして、ぼくは、
止めないんだろう?
ずっと一緒に、いちばん近くに、
いたいのに、どうして、きみの背中を押すの?
ねえ、きみへの、気持ちを歌っても、
あんまり、意味、なかったのかな?
ぼくに、好きな人のことを話す、
きみを、見てる。
「そんな人より、ぼくだけを見て」と、
言ってしまえばいいと知ってるはず、なのに。
きみの、喜ぶ顔を見たくて、
きみの、友だちのままでいたくて。
ぼくなんかよりも、その人のほうが、
きみを、きみを、幸せにできるから。
ずっと一緒に、いちばん近くに、
いるのは、きっと、ぼくじゃないほうがいい。
大好きなきみが、離れてゆくのを、
どうして、どうして、ぼくは、
止めないんだろう?
ずっと一緒に、いちばん近くに、
いたいのに、どうして、きみの背中を押すの?
(2025年8月; aki92)
7. 街の季節も
ひさしぶりに、帰ってきた、街を、歩く。
どこに行く、あてもなく、ただ、ふらふら。
知らない建物が、増えた気がする。
前、なにがあったか、思い出せない。
毎日歩いていたころは、変わり映えのない、
つまらないとこだって思っていたけど、
目を離すと、街も人も姿を変えてる。
街の季節も、街の匂いも、変わってく、変わってく。
人の営みも、晩ごはんのおかずも。
ちょっと、目を離すだけで、移ってく街に、
住む、きみの、気持ちも、変わってくのかな?
そんなわけないって、怒るだろうか。
ぼくのことなんて、忘れてるだろうか?
ぼくが、いない間にも、
いろんなことがあっただろうからさ、もう、
ぼくのことが、いらないんじゃって不安になってる。
街の季節も、街の匂いも、変わってく、変わってく。
人の営みも、晩ごはんのおかずも。
(2025年7月; aki99)